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ショウ・マスト・ゴー・オン

関東で震度4 空港、新幹線一時ストップ : 社会ニュース

歌舞伎座にいただよ…。

私がいつも読んでる歌舞伎のメールマガジンがあるのですが、
先日東京で震度5があったときに、ちょーど執筆者の方は歌舞伎を見終わって銀座にいらしたときだったそうで、
「これが劇の最中だったら、役者さんは反応するのかな?」
といったようなことを書かれてました

「そういや、何年か前に松本幸四郎の『夢の仲蔵』(今週再演予定)観てる最中に、震度3ってのがあったなぁ~。
あの時は何もないよーに芝居続行してたけど、
グラグラ揺れてる中で、2階建ての長屋のセットを役者さん達がバタバタ行き来してて、
『歌舞伎役者って足腰強ぇぇぇ!』って、びっくらこいたけど」
とか思ってたんですが、

おいおい、5日後に自分が身を持って確認することになるなんてーん(T T)。

演目は、メルマガの方と同じく「NINAGAWA 十二夜」
第二幕のクライマックスで、
男装のお姫様役の尾上菊之助が
(この「男装のお姫様」ってのは、菊之介さんが女形ってことではなく(いや、それもそうなんだけど)、
物語の設定として、「お姫様が身分を隠して男装してる」のを、菊之介さんが演じてるのです。あーややこし。)

お姫様(こちらはホンモノ。中村時蔵さん)に愛を告白されるんだけど、
自分は本当は女性だから到底受け入れられない、でもそうは言えない、
しかも相手は自分の好きな男性が恋しているお姫様…
という、せつなさ極まりないシーンだったですよ。

そこに震度4。
「地震よ、地震だわ、揺れてるわ」というオバちゃんたちのざわざわする声。

そのとき私が思ったこと。
「いいところなのに邪魔してんじゃねーよ、ゴルァ!!」
……はい、イザってときには、逃げ遅れ決定……。

しかし、役者さんは今回もスゴかった。
バックの鏡張りのセットがたわむほど揺れてる中、
今回も地震なんてまるでないかのよーに、演じ続けてましたよ。
菊之介さんなんて、片膝ついてかしこまった体制のまま、びくともしないし。
(時蔵さんも中腰。こっちの方がキツいかも)

もっと大きな地震だったら、芝居にストップがかかって、
避難誘導とかされるのかもしれないけど、
そのキワキワぐらいのところで、涼しい顔で舞台の世界を保ち続けるところに、
いや、まじ、感動してしまいました。
それは他のお客さんたちも同じ思いだったようで、
結果、地震が収まったときには、客席の集中度が、地震が起こる前と段違いだったですよ…。

でも演じてるシーンや、役者さんにも寄るでしょうね。
全然歌舞伎じゃないところにトビますけど、
古田新太御大なら「おう、揺れてるな」とか言って、ボケのひとつでもかましそうだ。←まったくの想像だけど;

しかし、お金がないから歌舞伎なんてめったにいけないのに、
上演中に地震に遭うこと2回。
他の演劇やライブでは1回もないことを考えると、結構高い比率かも。
「えー、○○さーん(←私)、最近東京地震多くてコワいから、
当分歌舞伎行かないでくださいよ~~」
とか後輩に言われてるんですけど、

ごめん。今月末に、
やっすい席のチケットで、朝から夜まで一日中 in 歌舞伎座、
っていう日があるのよねぇぇぇぇぇぇ。
  ↑
この日に日本が沈没したら、勘三郎さんを恨んでくだされい。