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過酷な人生を何度も生きる男(とアフロ)

世田谷パブリックシアターで、佐々木蔵之介さん主演の舞台
蔵ウディア、って変換違ーう!「クラウディアの手紙」を観て来ました。

第二次大戦後、スパイ容疑を掛けられてソ連に抑留され、
日本に帰れなくなった男と、2人の妻の、ドキュメンタリーがベースになった話。
ロシア人の奥さんが、彼を日本で待つ妻の元へ帰そうとするので、
「これ、変に『美談』仕立てになってたりしたら、ヒくかもー」とか思っていたんですが、
苦難の数十年を、演じるというより、
人間のつらさ、かなしみなんかをさらけて「生きる」くらちゃんを見てるうちに、
『仕方ない』っちゃ語弊があるけど、そうした不条理な時代に、

「こんな不運の中、人間らしく生きていこうと思ったら、
絆を求めたって、しかたないじゃん!」

とか、逆ギレしたくなりました。何に対してだかよくわからんけど。
ほんとにリアルに、佐々木蔵之介でなくて、その役の人が生きているように見える。

休憩はさんで約3時間。
「傍観者」だっただけでも、かなり疲れたのに、
くらちゃんはあんな過酷な人生を、毎日まいにち生きてる
(下手したら?一日2回なんてぇ日もある)わけで、
そー思うと、役者さんって因果な仕事だわ~。

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ところで、休憩時間に何気なく
「あ、アフロ人がいる。後ろの席の人はかわいそうねー」
と思って見たら、佐藤隆太さんでした。
彼とくらちゃんが「チーム申」のユニット名義で公演した二人芝居
「時には父のない子のように」
が、
去年観た舞台の中で、私としてはいちばん好きだったので
つい「チーム申またやってくださいよう!」と声をかけたい衝動にかられましたが、
「いやいや、プライベートで来てるんだろうし…」と死ぬ気で抑えました。

(このあと、男子トイレの前で1回、公演終了後にロビーで1回、
劇場を出てからエレベータ待ちで1回、彼を見かけて、
そのたび「言いたい!いや!言っちゃだめ!」と煩悶することに…(涙))