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シネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』

ちょうど仕事の谷間で早く上がれそーだったうえ、当日まだ空席があったので、
急遽、新橋演舞場でシネマ歌舞伎『野田版 研辰の討たれ』を観て来ました。
去年の中村勘三郎襲名公演で上演したもの(これも見ました)を録画して、映画にしたもの。

私が観に行ったのは2回目の上映で、映画が始まる前に、勘三郎さんの挨拶。
ご本人は1回目の上映を見てショックを受けたらしく
「映像って残酷だねぇ。台詞は間違えてるし、勢いだけで押してるし…
今日のチケット代¥2000? ¥300ぐらいですよ!!」
とか、めちゃめちゃ自虐的なことをまくしたてていたですよ(笑)。
とはいえ
「このままじゃ終われないので、絶対にまたやります!
完璧なものを映像に残して、辞めます!」
って、前向きにシメるあたりが「らしい」感じですが。いや、辞めないでほしいけど。

そりゃプロの目で見たらアラはあるだろうが、観客としては全然そんなこたなかったですよ。
勢いだけでもってける50歳って、すでにスゴいっつの。
(早口でまくし立てたり、二階席まで走り回るわ、ずーっと体を使いまくり☆
あれだけ動き回れる役者さんって、若手でもそんなにいるまい?)

でも、いくら大画面とはいえ(あらすじを知ってることをさっぴいても)
やっぱ、生の舞台を観たときに感じた、
ドタバタのめくるめく面白さや、ラストの哀愁みたいなのは、
ちょっと減っちゃうかな、というのが個人的な感想。
でも前回のシネマ歌舞伎「野田版 鼠小僧」は、舞台よりも映画の方が丁寧にストーリーを追えた気がするので
単純に演目と個人の好みかな。

と思ったけど、よく考えたら「研辰」はくじ運が良くって+ちょきんをはたいてS席、それもかなり前のほうで観たけど
「鼠小僧」はヤフ●クでよーやく三階席の後ろの方を入手して「うーん、舞台が遠い。聴こえない」とか思ってたんだった。
実は単純にそれだけの理由なのか?

でも、これは絶対映画のほうが良いよな!と思ったのは、(勘三郎さんも挨拶でベタぼめだった)
脇役の人の表情が、非常によーくみえること。
いやいや……なんてーか、ひとりもスキがないっす。
こうゆう土台のところ?のクオリティの高さに、歌舞伎って伝統芸能の凄みを感じます。

特に、この芝居では脇だった獅童ちゃんの表情がいい~。
以前、獅童ちゃんのエッセイでだったか、
「エキストラ的な役でも自分で工夫して一生懸命演じてたら、当時勘九郎さんだった勘三郎さんが、呼んでほめてくれた」
ってエピソードを読んだことがあるんですが、それも納得ですわ。
あ、あと息子の勘太郎さんも、最近よく感じるんだけど、表情が魅力的な俳優さんですね。特に目。
最近はテレビドラマや映画には出ないのかなー。

とゆうことで、またこれからも「シネマ歌舞伎」継続していって欲しいっす。

次回は玉三郎さんの鷺娘を映画にするそーで、
昔、一度観たときに、異空間にぶっとばされた私としては、
その幽玄な世界がどんなふーに表現されるか、すごい楽しみです。

同じくらい気になるのが、去年、生の「研辰」で、アドリブのように
「震度3だか4だかのヌル~い地震で、彼女に『お前大丈夫か?』と電話してた」
のを父にバラされた勘太郎くんは、まだその彼女と続いているのか?
おねーさんはいつでもウェルカムよ♪←バカ